送別

自分のバイト先はコンビニだ。そのバイト先の、現在4年の先輩・Kさんの送別会が開かれた。
企画したのは自分と、仲の良いバイト仲間、・・・というか毎回飲み会があるときは俺ら2人が企画なんだけど。俺が店と時間決めて、そいつがシフト調節。

自分が店に入ったときは、到底飲み会なんぞ開ける感じではなかった。若い子は少ないし、なにより自分が仕事を覚えなければならない。それに飲み会を開こうにも、誰かが必ず店にいなければならない。そんなこんなで、まったく飲み会などは無かった。
当初本当にバイトが面白くなくて、稼げるっちゃ稼げるけど他に良いバイトあったら即辞めようと思っていた。しかし、現在仲が良いYが入ってきてから徐々にバイト先の雰囲気は変わってきた。何度かYと個人的に飲み、急に仲良くなったこと、そして新しい若い子たちがたくさん入ってきたことで変わったのだと思う。Yは店の人誰とでも仲が良い。自分には到底できない、潤滑油の役割を店で果たしていた。

今日でいなくなるKさんは、本当にKYだ。もうなんというか、空気読めないってレベルじゃない。バカだ。でもめちゃくちゃ良い人。なんか抜けてるけど、一度も怒ったところを見たことが無いし、どんな客にも丁寧に対応する。漫画いいひと。の主人公そっくりだ。あんなカッコイイ問題解決などしないけど。雰囲気はそっくり。
自分は本当にその人が好きで、もうすぐ働いて2年になるっていうのに、最近になってようやく遊んだりしだした。今まではバイト先に人と遊ぶなんて考えられないことのようだったけど。といっても時間があわないので極わずかな回数ではあるが。仕事上では毎週土曜日に2時間働く時間がかぶっていたので、ベテランのその人にどっしりと甘えて仕事をしていた。
しかしもういなくなってしまう。
普通、KYの人ってのは敬遠されるものだと思う。だけど、それは嫌な性格の人の場合だ。自分はこんなにも良い人を見たことが無い。裏表なしにこの人は良い人だ、と信じられるのはこの人くらいだろう。純粋すぎる性格の良さの前には、KYも霞む。もちろん自分が虚像を信じている可能性もあるが。
先輩の愛されるキャラは他の店員にも受けがよく、皆に別れを本気で惜しまれていた。

Yがいてくれたおかげで、先輩の送別会を開くことができた。送別会を開く、なんてこと、今までのコンビニの雰囲気からは信じられないことである。きちんと送別できる場を設けられたことがうれしく、そして悲しい。
完全に自腹で先輩にネクタイを送った。みんなに書いてもらった色紙を贈った。

必ず、必ずまた会いましょう!初任給でたら俺らに飯をおごるって約束です!
この約束が果たされてほしい。
・・・文章の意味がまったくわけわからんな・・・酒が残っているのか頭が混乱している。

さびしいなぁ。
その一言に尽きる。